マンション管理士、管理業務主任者宅建士、は不動産系国家資格の中でも特に人気が高く、不動産三冠資格ともいわれます。
この記事ではこれら3資格にどんな違いがあるのか比較解説します。
目次
どんな資格?
マンション管理士
マンション管理士はマンションの維持管理に関するコンサルティングを行う国家資格です。
マンション管理組合の運営 大規模修繕や維持・管理などに関わるさまざまな問題やトラブルを、管理組合や区分所有者の立場になり解決します。
なお独占業務はないものの、今後マンションの老朽化に伴う修繕や建て替え需要が高まることもあり将来性のある資格とされています。
管理業務主任者
管理業務主任者は管理会社の立場でマンション管理を行なうための資格です。
管理組合や住民側の立場で仕事をするマンション管理士と対称となる資格とも言えます。
またマンション管理業者は30管理組合につき1名の管理業務主任者をおかなければならない設置義務があり、独占業務も存在します。
管理業務主任者の独占業務
- 重要事項の説明
- 要事項説明書への記名・押印
- 契約書への記名・押印
- 管理事務の報告
宅建士
宅建は正式には宅地建物取引士といって、公正な不動産取引を行うために必要な国家資格です。
不動産業の事務所では5人に1人は宅建士でなければいけないという設置義務に加え、重要な独占業務が3つあることから不動産業界で最も重宝される資格です。
宅建士の独占業務
- 重要事項の説明
- 重要事項説明書(35条書面)への記名、押印
- 契約書(37条書面)への記名、押印
難易度や合格率の比較
三冠資格の例年の合格率はご覧の通りでマンション管理士が最も低くなります。
例年の合格率
マンション管理士 8~9%程度
管理業務主任者 20%前後
宅建士 15~17%程度
また合格に必要とされる勉強時間の目安もマンション管理士が最も多く、三冠の中ではマンション管理士が最も難易度が高いと言えるでしょう。
合格に必要な勉強時間の目安
マンション管理士 約500時間
管理業務主任者 約300時間
宅建士 約300時間
試験内容の比較
三資格共通とも試験方式は共通でマークシート方式の筆記試験です。
合格点も同様にほぼ共通で、50問中約7割の35点前後ですが難易度により毎年変動します。
出題範囲については、三冠資格の中でもマンション管理士と管理業務主任者ほぼ同じ。
さらにはマンション管理士と管理業務主任者試験の片方に合格していれば、もう一方の試験で50問中5問が免除されるという特典もあります。
そんな理由もあって管理業務主任者とマンション管理士を同じ年に受ける、ダブル受験を行なう方も多くいます。
なおダブル受験をする場合に必要な勉強時間は単純に両資格の勉強時間を足した800時間より少なくなり
600~700時間が目安とされています。
また宅建士との比較でも民法や区分所有法など重要部分の試験範囲が重なっており、宅建士合格者がマンション管理士と管理業務主任者を受験する場合でもその知識を活かすことが可能です。
試験スケジュール的にも同一年度に3資格を受験することは可能なので、一気に三冠資格を制覇する方もいます。
例年の試験日程
宅建士 10月の第3日曜日
マンション管理士 11月の最終日曜日
管理業務主任者 12月の第一日曜日
最初に取るべき資格は?
現在仕事上の理由などで明確に必要な資格が定まっていない場合、不動産3冠資格資格のなかで最初にとる資格としておすすすなのは宅建士です。
知名度、実用性ともに高く一般企業でも評価が高いことがその理由です。
例年の受験者も段違いに多く人気のほどが伺えます。
例年の受験者数
マンション管理士 1万2~3千人程度
管理業務主任者 1万5~6千人
宅建士 20万人以上
初学者であればまずは宅建士に手堅く合格し、翌年度に管理業務主任者とマンション管理士に挑戦する方法もおすすめです。
初学者におすすめのスケジュール
【1年目】
①宅建士に絞り手堅く合格!(10月)
【2年目】
②宅建士の知識をベースに
マンション管理士に効率良く合格!(11月)
③5問免除を利用して
管理業務主任者を楽々合格!(12月)
不動産3冠資資格の勉強法
不動産三冠資格はいずれも独学でも合格可能な資格ですが、確実に短期間で合格したいのであれば資格スクールの利用もおすすめです。
例えばオンライン通信講座の代表的な存在のひとつ「フォーサイト」では、例年平均よりもかなり高い合格率実績を挙げています。
フォーサイトにおける各資格の合格率実績(※2022年度)
マンション管理士 31%(全国平均11.5%の2.7倍)
管理業務主任者 67.6%(全国平均18.9%の3.58倍)
宅建士 75.0%(全国平均17.0%の4.41倍)